Instructor

馬渕誠子 師範

秋田生。400年続く天道流を正しい形で伝授するために、横浜道場にて後進の育成に励む。師は故澤田花江先生(武徳会薙刀術養成所一期生)。師の下で30年強、師から離れて20年天道流を研鑽し、現在に至る。

天道流の他、大和流弓術、戸田派武甲流、清水隆次先生から神道夢想流杖術、大竹利典先生から天真正伝香取神道流を学ぶ。

英国BBCの全6本から成る「アジア武道シリーズ」中、香取神道流について撮影した際に通訳を担当。横浜での稽古も日英バイリンガルで行う。

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Seiko Mabuchi Shihan

Originally from Akita Prefecture, Mabuchi Shihan is dedicated to accurately passing on 400 years of Tendo-ryu to the next generation at Yokohama Dojo.

Her teacher was Hanae Sawada Sensei, an inaugural member of the Dai Nippon Butoku Kai. She trained under her tutelage for 30 years strong, continuing to diligently study Tendo-ryu a further 20 years until the present day.

Along with Tendo-ryu, Mabuchi Shihan has studied Yamato-ryu kyujutsu, Toda-ha Buko-ryu, Shindo Muso-ryu under Takaji Shimizu Sensei, and Tenshin Shoden Katori Shinto-ryu under Risuke Otake Sensei

Fluent in English and Japanese, she provided interpretation for the Katori Shinto-ryu segment of the BBC series ‘The Way of the Warrior’. With her bilingual background, practice at the Yokohama Dojo is likewise performed in both languages.


師範より(A Message from the Instructor)


天道流のすばらしいところは、相手とのやりとりです。ある程度、順序がわかると、相手に合わせて、こちらも対処しないと、型が成り立たないことがわかってきます。型試合であるため、相手はこちらを本当に切ってきます。それを最後の最後まで待って、「切られたかな!」という瞬間に、自分の技を使います。このやりとりができるようになると、やみつきになります。もう止まらない。問題は、それが楽しめるようになるには、順序と理合いを一通りおぼえなければならないことです。皆さんにはそこまで稽古を頑張ってほしい!

「一つの型を一息でするように。」一度太刀合わせを始めたら、習ったところを続けて最後までやらなければなりません。

「初心者とお稽古するのが一番だ。お稽古させていただく、という気持ちでお稽古しなさい。」とは先生の言葉ですが、今、私も自分の道場に来る人に同じことを言っています。自分の事さえはっきりわからない人間が、「あの人は下手だ」と他人を丸ごと評価するような不遜な態度では、技は上達しません。結局、相手は自分の鏡です。自分が下手だから、相手もそれを映した動きになります。

お稽古を始めた当初から、古武道大会に行く機会が時々ありました。見学していると、先生が色々なことを話して下さいますが、特に印象深かったのは、演武を見るときの視点です。

「あしもとを見ているだけで、その上を見なくても技量がわかる。」

お稽古を始めた当時の私の足の裏には水ぶくれ、手のひらは豆ができて固くなっていました。それを見た先生は、「こんなんできてるうちはダメ」とそっけなくおっしゃいました。先生の先生は床と御自分の足の間に和紙をはさんだような美しい足さばきだったそうです。

数年前、テレビで御高齢の剣士のドキュメンタリを見たときは、この方の足さばきの自然さに感服しました。体全体の動きに無駄がなく、無用な力が入っていないからこその、あの足さばきだったのだろうと。

天道流のお稽古を始めた時、一番最初に先生に言われたことは、「言葉では教えないので、技は盗んで覚えなさい。」でした。長い歴史に裏打ちされた、正統な稽古の方法です。私は幸い最初の15年くらいは時間がたっぷりあったので、一週間4~5日間稽古することができていました。盗んで覚える、というのは、時間がなければできません。自分で何度繰り返しやってみて、それでもできない、というのが稽古です。

反面、スポーツの世界でも、繰り返し練習するところは同じですが、最初からしっかりコツを教え込まれます。「技を盗んで覚える」テンポでやっていたら、10代からオリンピックには出場できません。忙しい現代人には、ある程度言葉で説明して教えることも必要なのではないか、と考えます。

武道と武術の違いの一つに、武道には人間形成の要素が加わっていることがあげられます。「一生、稽古です。」と言う言葉は、「道」がつく他の分野でもよく聞かれますが、武術は技です。一生かかって会得するテンポでは戦場で生き残れません。

こうした考えに基づいて、私の稽古場では時々コツを教えます。

これを知ったら先生は私をドヤシつけるでしょう


推薦状(recommendatory message)


Koryu seems to be such a specific word – martial arts of Japan that were created before the inception of the Meiji period. As all our readers know, among the koryu are a number of disciplines, encompassing varying studies from the use of the sword to swimming in armor.

Another way that koryu should be viewed is quality. Far too many groups are “koryu clubs” - hobby-groups for groups of people seeking to add a little enjoyment and discipline in their lives. We see nothing wrong with that – at the same time, however, we admire most those who strive to practice with the rigor and integrity of our ancestors, who lived and breathed these martial arts. That is why the two of us want to take the opportunity to bring to peoples' awareness, a truly wonderful teacher, Seiko Mabuchi, a student of Tendo-ryu naginatajutsu for nearly forty years. Tendo-ryu, of which Meik is a practitioner and Ellis holds in considerable respect, is a ryu with one of the most sophisticated compendia of naginata techniques. In addition to naginata, it has techniques for kusarigama, nitto (two swords), tanto, kaiken and jo (representing a naginata that is broken in the midst of combat).

Ms. Mabuchi’s dojo is in the Yokohama area, and we urge anyone with a desire to learn a naginata-centered koryu with a truly old-school teacher to seize this opportunity. 

Best

Meik Skoss and Ellis Amdur